第四航空軍戦闘序列

 比島防衛は大陸命第一〇九五号(昭和十九年八月四日)にて戦闘序列を発令された第一四方面軍(第一四軍の昇格) に委ねられていた。航空部隊はそれより早く大陸命第一〇一〇号(昭和十九年五月十二日)により第一四軍直属航空部隊が 解隊され、隷下部隊は第二・第四飛行師団編合に編入されていた。ビアク島を攻略した連合軍は七月三十日にサンサポールに 上陸して西部ニューギニアを手中にした。次の目標であるモロタイ島への上陸は九月十五日に米第三一歩兵師団により開始された。 モロタイ島は十月四日までに一通り制圧され、急速設定された航空基地が比島攻略の支援に利用された。米軍はレイテ島上陸の準備 として第三八任務部隊(司令官;マーク・ミッチャー中将)により十月十二日から台湾・比島の日本軍航空基地空襲を開始した。マリアナ海戦で航空母艦および艦載機多数 を失った海軍は基地航空隊が反撃をおこなった。既に搭乗員の錬度が低下していた海軍航空隊の挙げた戦果は「空母19隻、戦艦4隻、 巡洋艦7隻撃沈破」という過大なものだった。実際の損害は重・軽巡各1中破、空母1小破という軽微なものだった。この台湾沖海戦の 戦果誤報が比島防衛戦に影響を与えていく。十月十七日米軍はレイテ湾入口のスルワン島に上陸を開始した。日本軍に関する情報分析で 弱体化を察知して当初予定されていたミンダナオ島上陸を取り止め、レイテ島上陸を二ヶ月繰り上げたのだった。大本営はこれを比島攻略への 第一段階と判断して、大陸命第一一五三号(昭和十九年十月十八日)により捷一号作戦を発動した。 捷一号作戦発令時の航空部隊転用計画は大陸命第一〇八一号(昭和十九年七月二十四日)に基づく大陸指第二一七六号(昭和十九年九月二十二日) により指示されていたが、これに基づいて以下の部隊が比島に派遣された。

      第一次転用部隊;大陸指第二二三四号(昭和二十年十月十八日)
        飛行第一(四式戦)、第一一(四式戦)、第二二(四式戦)、第二〇(一式戦)、第三(軽爆)、第一四(重爆)各戦隊
      第二次転用部隊(その1);大陸指第二二三六号(昭和十九年十月二十日)
        飛行第三八戦隊(司偵)
      第二次転用部隊(その2);大陸指第二二六四号(昭和十九年十月三十日)
        飛行第七四・九五戦隊(各重爆)
      第三次転用部隊;大陸命第一一八九号(昭和十九年十一月二十一日)
        第二一飛行団(司令部、飛行第七二・七三戦隊〔各四式戦〕)

レイテ湾内の米輸送船撃滅のため第一遊撃部隊〔司令長官;栗田健男中将(海兵)38〕が出撃したが、同部隊はレイテ湾を目前にして 反転して海軍の作戦は失敗に終わった。比島航空戦では正則の攻撃の他に特別攻撃が行われた。特別攻撃は十月二十五日に 海軍航空隊が始めたが、陸軍航空隊でも特別攻撃隊を編成し攻撃を行った。当初は爆発威力に重点をおき 軽爆・重爆による万朶隊(鉾田教導飛行師団で編成。九九式双軽5機編制)・富嶽隊(浜松教導飛行師団で編成。四式重 9機編制)が編成されたが、後には海軍に倣って比較的軽快な単発機を主体とした八紘隊(12機編制)12隊を主として各教導飛行師団 で編成して攻撃に投入した。 この頃の第四航空軍の編制人員は陸軍省兵務局兵備課の調査で81、715名(昭和十九年九月十日調。 内訳は兵科75、344名、各部6、381名。他に軍属1、180名)であった
   【フィリピン周辺図】 

昭和十九年十月三十一日
第四航空軍司令部(司令官:冨永恭次中将25)
   第二飛行師団
   第四飛行師団
   第七飛行師団
   独立飛行第二〇中隊(輸送)
   第三〇戦闘飛行団集団(団長:青木武三少将27)
      第一二飛行団司令部(団長:川原八郎中佐34)
         飛行第一戦隊(戦闘)
         飛行第一一戦隊(戦闘)
         飛行第二二戦隊(戦闘)
      第一六飛行団司令部(団長:新藤常右衛門中佐36)
         飛行第五一戦隊(戦闘)
         飛行第五二戦隊(戦闘)
      飛行第二〇〇戦隊(戦闘)
   独立第一〇飛行団司令部(団長:光成省三少将31)
      第三七航空地区司令部
         第一〇〇飛行場大隊、第一一〇飛行場大隊、
         第一一一飛行場大隊、第一三〇飛行場大隊
         第一一三野戦飛行場設定隊、第一四五野戦飛行場設定隊、
         第一四六野戦飛行場設定隊
   関東軍第一航空写真隊
   第一八航空地区司令部、第二九航空地区司令部、
      第一一五飛行場大隊、第一一七飛行場大隊、第一一八飛行場大隊、
      第一一九飛行場大隊、第一二〇飛行場大隊、第一二一飛行場大隊、
      第一二二飛行場大隊、第一三一飛行場大隊、第一三二飛行場大隊、
      第一三三飛行場大隊
   第二航空通信司令部(司令官:藤沢繁三中将26)
      第六航空通信聯隊
      第八航空通信聯隊ノ無線1中隊
      第一〇航空通信聯隊ノ無線1中隊
      第一七航空通信隊、第二二航空通信隊
      第一四航空固定無線隊
      第五対空無線隊、第九対空無線隊、第二三対空無線隊、
      第二四対空無線隊、第二五対空無線隊、第六一対空無線隊
      独立無線第一二二小隊、独立無線第一二三小隊、独立無線第一二四小隊、
      独立無線第一二五小隊、独立無線第一二六小隊、独立無線第一二七小隊、
      独立無線第一二八小隊、独立無線第一二九小隊
      第二航測聯隊(欠1中隊)
第二航空通信団
   第二航空通信聯隊ノ有無線各1中隊、第五通信聯隊、第一二航空通信聯隊
   第四一対空無線隊、第四二対空無線隊、第四三対空無線隊
   第四航空特種通信隊、第五航空特種通信隊
   第四航空情報聯隊
   第六航測隊
   第一二野戦気象聯隊
   第一四野戦航空修理廠
   第一四野戦航空補給廠
   白城子陸軍飛行学校材料廠第二〇九分廠
   第一三野戦飛行場設定隊、第一四五野戦飛行場設定隊
   第一四六野戦飛行場設定隊
   特設第七機関砲隊、特設第八機関砲隊、特設第九機関砲隊、
   特設第一〇機関砲隊、特設第一一機関砲隊、特設第一二機関砲隊、
   特設第一三機関砲隊、特設第一四機関砲隊、特設第一五機関砲隊、
   特設第六三機関砲隊、特設第六四機関砲隊、特設第六五機関砲隊、
   特設第六六機関砲隊、特設第六七機関砲隊、特設第六八機関砲隊、
   特設第六九機関砲隊、特設第七〇機関砲隊、特設第七一機関砲隊、
   特設第七二機関砲隊
   独立自動車第三一六中隊、独立自動車第三一七中隊、独立自動車第三一八中隊、
   独立自動車第三一九中隊、独立自動車第三二〇中隊、独立自動車第三二一中隊、
   独立自動車第三二二中隊、独立自動車第三二三中隊、独立自動車第三二四中隊、
   独立自動車第三二五中隊、独立自動車第三二九中隊、独立自動車第三三〇中隊
   陸上勤務第八六中隊
   建築勤務第三一中隊、建築勤務第五二中隊
 

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Last Update 2011/01/10