防空部隊


  *本ページでは、場合によっては昭和十八年軍令陸甲第一二〇号(昭和十八年十二月二十七日)を令甲120(S20.12.27)、大陸命第一〇一〇号(昭和十九年五月十二日)を命1010(S12.5.12)という風に略記します。


航空軍・飛行師団の拠点防空のために野戦高射砲大隊(乙)等の防空部隊が戦闘序列・編合に編入された。例えば第三航空軍は戦闘序列発令時、以下の防空部隊を編入していた。

第三航空軍防空部隊
   第一八野戦防空隊司令部
      高射砲第一六聯隊、高射砲第二三聯隊、
      野戦高射砲第三四大隊(乙)、野戦高射砲第四〇大隊(乙)


【パレンバン防衛隊】
スマトラ島のパレンバン産油地帯は日本にとって戦争遂行の上で重要だったので、陸軍はここに防空部隊を置いた。

パレンバン防衛隊編成
命759(S18.3.3)によりパレンバン防衛隊が編成され、第二五軍戦闘序列に編入された。

パレンバン防衛隊の隷下部隊は昭和十八年三月二十五日に編成を完結した。
防空第一〇一〜一〇三聯隊の編制表を以下に示す。これらの部隊の臨時編成・編制改正を規定した軍令は現存していないので、編制人員表を転記した。 各聯隊は5個高射中隊および2個照空中隊編制である。

防空一〇一 〜 一〇三聯隊 編制表
将官
佐官
佐(尉)官
尉官30
准士官
下士官93
903
1、036
技術部将校
准士官・下士官
経理部将校
准士官・下士官
衛生部将校
准士官・下士官
14
31
合計1、366
軍属高等文官
判任文官
雇(傭)人
兵補100
自動車
 本部 1
 高射中隊 5
 照空中隊 2
編制人員表ヨリ


パレンバン防衛隊編制改正および隷属変更
命912(S18.12.28)による第三航空軍戦闘序列改訂に伴い、編制改正されたパレンバン防衛隊 および新規編成のパンカランブランタン防衛隊は、新規に編成された第九飛行師団の編合に編入された。 また、隷下部隊は適宜編制を改正された。 パレンバン防衛隊およびパンカランブランタン防衛隊の編成を以下に示す。これらから分かるように両防衛隊とも 飛行部隊をその編成内に置いて、立体的な防空態勢を取っていた。

パレンバン防衛隊編成
編制定員備考
パレンバン防衛司令部107
185
令甲18(S18.2.17)ニヨリ臨時編成
令甲114(S18.12.10)ニヨリ編制改正
独立飛行第二四中隊(戦闘)96令甲114(S18.12.10)ニヨリ編制改正
飛行第二一戦隊(戦闘)322令甲118(S18.12.10ニヨリ編制改正
飛行第八七戦隊(戦闘)322令甲24(S19.2.22)ニヨリ編制改正
高射砲第一〇一聯隊1,366令甲59(S18.6.26)ニヨリ編制改正
高射砲第一〇二聯隊1,366令甲59(S18.6.26)ニヨリ編制改正
高射砲第一〇三聯隊1,366令甲59(S18.6.26)ニヨリ編制改正
第一〇一要地気球隊330令甲87(S18.9.13)ニヨリ臨時編成
機関砲第一〇一大隊861令甲87(S18.9.13)ニヨリ臨時編成
パレンバン警備隊504令甲114(S18.12.10)ニヨリ臨時編成
パレンバン防衛通信隊332令甲114(S18.12.10)ニヨリ臨時編成

バンカランプランタン防衛隊編成
編制定員備考
バンカランプランタン防衛司令部282令甲114(S18.12.10)ニヨリ臨時編成
独立飛行第七一中隊(戦闘)96令甲24(S19.2.22)ニヨリ編制改正
高射砲第一〇四聯隊1,066令甲106(S19.8.7)ニヨリ野戦高射砲第六七大隊ヲ改変
機関砲第一〇二大隊458令甲114(S18.12.10)ニヨリ臨時編成
バンカランプランタン警備隊*167令甲114(S18.12.10)ニヨリ臨時編成


上記高射砲部隊の編制表を以下に示す。

高射砲第一〇一 〜 一〇三聯隊 編制表
将官
佐官
佐(尉)官
尉官39
准士官
下士官135
1、142
1、328
技術部将校
准士官・下士官
経理部将校
准士官・下士官
衛生部将校
准士官・下士官
20
38
合計1、366
軍属高等文官
判任文官
雇(傭)人
兵補100
自動車乗用車 4
自動貨車 20
 本部 1
 高射中隊 6
 照空中隊 3
編制人員表ヨリ

高射砲第一〇四聯隊 編制表
将官
佐官
佐(尉)官
尉官31
准士官
下士官107
884
1、032
技術部将校
准士官・下士官
経理部将校
准士官・下士官
衛生部将校
准士官・下士官
16
34
合計1、066
軍属高等文官
判任文官
雇(傭)人
兵補100
自動車乗用車 4
自動貨車 20
 本部 1
 高射中隊 6
 照空中隊 3
編制人員表ヨリ

機関砲第一〇一大隊 編制表
将官
佐官
佐(尉)官
尉官27
准士官
下士官97
705
836
技術部将校
准士官・下士官
経理部将校
准士官・下士官
衛生部将校
准士官・下士官
12
25
合計861
軍属高等文官
判任文官
雇(傭)人
兵補250
自動車
 本部 1
 高射機関砲中隊 7
編制人員表ヨリ

機関砲第一〇二大隊 編制表
将官
佐官
佐(尉)官
尉官15
准士官
下士官52
369
440
技術部将校
准士官・下士官
経理部将校
准士官・下士官
衛生部将校
准士官・下士官
18
合計458
軍属高等文官
判任文官
雇(傭)人
兵補150
自動車(判読不可)
 本部 1
 高射機関砲中隊 4
編制人員表ヨリ

第一〇一要地気球隊 編制表
将官
佐官
佐(尉)官
尉官
准士官
下士官62
254
324
技術部将校
准士官・下士官
経理部将校
准士官・下士官
衛生部将校
准士官・下士官
合計330
軍属高等文官
判任文官
雇(傭)人
兵補750
自動車
編制人員表ヨリ

パレンバン防衛隊隷属変更
命1370(S20.8.4)によりパレンバン防衛隊およびパンカランブランタン防衛隊は、 第九飛行師団の編合から脱除され、第二五軍戦闘序列に編入された。この大命により特設機関砲隊3隊 がパレンバン防衛隊編成に編入された。パレンバン防衛隊の編成を以下に示す。

パレンバン防衛隊編成
   パレンバン防衛司令部
      高射砲第一〇一 〜 第一〇三聯隊
      第一〇一要地気球隊
      機関砲第一〇一大隊
      特設第五八、第六〇、第六一機関砲隊
      パレンバン警備隊
      パレンバン防衛通信隊


【鞍山防衛隊】
空地が一体となった防空部隊の例をもう一つ挙げる。第二航空軍は飛行部隊を相次いで抽出されて太平洋戦争末期には第二航空軍司令官直属の独立飛行第八一中隊(武装司偵)・飛行第一〇四戦隊(戦闘)と独立第一五飛行団および教育部隊を残すのみとなってしまった。 独立第一五飛行団の任務は鞍山製鉄所の防空であり、このため前述の飛行部隊と関東防衛軍(関東軍編組内)の鞍山防衛隊を指揮下に置いた。

 防空部隊一覧


【独立機関砲中隊】
令甲71(S20.4.28)により60隊の臨時動員が下令された。独立機関砲中隊の編制は以下のとおりである。

独立機関砲中隊編制
指揮小隊
      指揮班、通信班
小隊×3
      各小隊ハ2個分隊ヨリ成ル
中隊段列

独立機関砲中隊の編制表を以下に示す

独立機関砲中隊編制表
其一其二
大尉 中隊長
中(少)尉 指揮小隊長
准尉(曹長)
軍曹(伍長)
        観測掛兼監視掛
        通信掛
        兵器掛兼瓦斯掛
        給養掛










116122
133139
技術下士官
主計下士官
衛生下士官
衛生兵
合計138144
主要装備
       四式基筒双連二十粍高射機関砲×12
       高射機関砲算定具×1
       九四式一米対空測遠器×1
       弾薬 7、200発
四式基筒双連二十粍高射機関砲(之ニ附属スル兵器共)ハ二十五粍機銃
(之ニ附属スル兵器共)ヲ以テ代フルコトヲ得(後略)
昭和二十年軍令陸甲第七一号(昭和二十年四月二十八日)附表第四其一・其二
昭和二十年陸亜機密第一七九号(昭和二十年四月二十八日)

独立機関砲隊は命1324(S20.4.28)により隷属を発令された。航空軍の戦闘序列に編入されたのは、以下の部隊である。

独立機関砲隊隷属
部隊隷属編制
第三 〜 第六第一航空軍司令官其一
第七 〜 第一〇第六航空軍司令官其二
第一七第一航空軍司令官其一
第二二第六航空軍司令官其二
第二九 〜 第三〇第一航空軍司令官其二


【特設機関砲隊】
令甲110(S19.8.11)により56隊の臨時編成が下令された。「特設」の名を冠しているが、正規の部隊である。

特設機関砲隊の編制表を以下に示す。

特設機関砲隊編制表
中(少)尉 隊長
准尉(曹長)
軍曹(伍長)
        観測掛
        連絡掛兼給養掛



72
82
主計下士官
衛生兵
合計85
主要装備
       二十五粍機銃(単装)×12
       弾薬 12、000発
二十五粍機銃(弾薬共)ハ海軍制式ノモノヲ以テ充ツルモノトス
二十五粍機銃単装2門ニ対シ同連装1基ヲ以テ代フルコトヲ得
二十五粍機銃ハ十三粍機銃ヲ以テ代用スルコトヲ得
昭和十九年軍令陸甲第一一〇号(昭和十九年八月十一日)
昭和十九年陸亜機密第四八五号(昭和十九年八月十一日)



特設第二一機関砲隊陣中日誌*による編制表を以下に示す。 特設第二一機関砲隊は特設第二〇機関砲隊と共に硫黄島で玉砕した。


* Cincpac-Cincpoa Bulletin No.79-45, 27 March 1945: Translations- Interrogations No.23


特設機関砲隊編制表(2)
指揮官(大尉)
指揮分隊18
第一分隊11
第二分隊11
第三分隊11
第四分隊11
第五分隊11
第六分隊11
合計85


特設機関砲隊は命1100(S20.8.11)および命1132(S19.9.20)により隷属を発令された。航空部隊に編入されたのは、以下の部隊である。

特設機関砲隊隷属
第五七〜第六二第九飛行師団
第七〜第一五
第六三〜第七二
第四航空軍


 特設機関砲隊一覧



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Last Update 2014/06/10