第二九師団編制

第二九師団は昭和十六年軍令陸甲第七号(昭和十六年二月二十五日)により編成を令されていたが、 関特演発動に伴い昭和一六年軍令陸甲第四五号「第二九師団臨時編成要領」(昭和十六年七月二十二日)により応急編成された。したがって一部部隊の人員は定員を満たしていない。 第二九師団を構成する3個歩兵聯隊のうち、歩兵第三八・五〇聯隊は昭和十六年軍令陸甲第七号(二月二十五日)により編制改正を完結していたが、 四単位制師団である第三師団から抽出予定の第二九歩兵団司令部・歩兵第一八聯隊は同師団が 大陸本土での戦闘に拘束されていたため身動きができず、第二九師団に編合されたのは昭和十七年になってからであった。 (したがって第二九師団は2個歩兵聯隊態勢で開戦を迎えた)

関特演時の第二九師団の場合の編合は以下のとおりであった。

第二九師団編合(1)
第二九師団司令部
第二九歩兵団司令部
  歩兵第一八聯隊
     本部、大隊3、歩兵砲大1、通信中1
  歩兵第三八聯隊
  歩兵第五〇聯隊
騎兵第二九聯隊
   本部、中隊2、機関銃中1
第二九砲兵団司令部
  山砲兵第二九聯隊
     本部、観測中1、大隊3
工兵第二九聯隊
   本部、中隊3
輜重兵第二九聯隊
   本部、輓馬中3、自動車中3
第二九師団通信隊
第二九師団兵器勤務隊
第二九四師団衛生隊
第二九師団制毒隊
第二九師団第一野戦病院
第二九師団第二野戦病院
第二九師団第三野戦病院
第二九師団第四野戦病院
第二九師団病馬廠
第二九師団防疫給水部


関特演時の編制の詳細は関特演時の師団編制を参照されたい。

第二九師団は関東軍司令官直属として満州に拘置されていたが、昭和十九年一月に第一四師団と共に南方への転用が決まった。 本師団は大陸命第九三五号(昭和十九年二月十日)により東部軍司令官隷下に編入、連合艦隊司令長官指揮下に配属された。 同日昭和十九年軍令陸甲第一〇号により第二九師団は「海洋編制師団」に改変するために臨時動員が下令された。 残念ながらこの軍令は現存していないので、「海洋編制師団」の編制が完全に分かっている訳ではない。 以降は軍令以外の史料による第二九師団の編制の概要であるが、これらは主として山下義之 「支那事変大東亜戦争における師団の編制」 に拠った。 「海洋編制師団」としての第二九師団の編合を以下に示す。

第二九師団編合(2)
第二九師団司令部
歩兵第一八聯隊A聯隊
歩兵第三八聯隊B聯隊
歩兵第五〇聯隊A聯隊
第二九師団戦車隊
第二九師団通信隊
第二九師団輜重隊輜重兵第二九聯隊ヲ基幹トシテ臨時編成
第二九師団海上輸送隊独立工兵第三四聯隊ヲ基幹トシテ臨時編成
第二九師団兵器勤務隊
第二九師団経理勤務隊
第二九師団野戦病院


以下の部隊は復帰した。
  第二九歩兵団司令部
  騎兵第二九聯隊
  山砲兵第二九聯隊(歩兵聯隊の砲兵大隊編成の基幹に充用して復員)
  工兵第二九聯隊(歩兵聯隊の工兵中隊・作業中隊編成の基幹に充用して復員)
  輜重兵第二九聯隊(師団輜重隊・歩兵聯隊の補給中隊編成の基幹に充用して復員)
  第二九師団衛生隊(歩兵聯隊の衛生隊編成の基幹に充用して復員)
  第二九師団第一〜第四野戦病院(師団野戦病院編成の基幹に充用して復員)
  第二九師団制毒隊
  第二九師団病馬廠
  第二九師団防疫給水部


第二九師団は大陸命第九五三号(昭和十九年二月二十五日)による第三一軍戦闘序列発令に伴って、これに編入された。 第二九師団各部隊は二月二十四日釜山を出港した。 マリアナに向かう途中崎戸丸(歩兵第一八聯隊および師団直轄部隊乗船)が撃沈されたが、師団主力は三月四日グァム島に上陸した。 米軍は六月十八日に上陸を開始する予定だったが、守備部隊の抵抗が激烈だったためこれは七月二十一日に延期きされた。 守備部隊は奮闘したが戦力が3倍の米軍に対してはそれも限界があり、七月二十八日には師団長高品彪中将25が戦死して 組織的抵抗は終了した。

以下に第二九師団の各部隊の編制表要約を示す。


【司令部】
第二九師団司令部の編制は第三六師団司令部と概ね同じであるが、編制定員が異なる。

【A聯隊】
A聯隊は占領した島嶼の防衛にあたる聯隊である。第二九師団では歩兵第一八聯隊・第五〇聯隊がこの編制をとった。 A聯隊の主要装備は以下のとおりで、復帰した山砲兵第二九聯隊の装備である山砲を有していた。
    軽機関銃  108
    重擲弾筒  112
    重機関銃   18
    速射砲      6
    大隊砲      6
    山砲       12

A聯隊の編制表要約を以下に示す。



【B聯隊】
B聯隊は占領された島嶼への逆上陸を含む海上機動反撃にあたる聯隊であり、その目的のためA聯隊より重装備を有していた。 第二九師団では歩兵第三八聯隊がこの編制をとった。B聯隊の主要装備は以下のとおりであった。
    九六式軽機関銃  108
    八九式重擲弾筒  112
    九二式重機関銃   18
    九七式自動砲      9
    九七式曲射歩兵砲  54
    九八式高射機関砲   6
    九四式速射砲      6
    四一式山砲        9
    軽戦車            9

B聯隊の編制表要約を以下に示す。作業小隊とは戦闘工兵より成る小隊である。



【戦車隊】

戦車隊の定数には誤認がある。 第三一軍司令部から捕獲した文書に基づく米軍の調査では
   各小隊:   軽戦車4輌
   整備小隊: 軽戦車1輌
である。

【通信隊】

【輜重隊】

【海上輸送隊】
編制定員は第三六師団海上輸送隊と同じである。
配備された舟艇等の定数は明らかでないが、第三六師団海上輸送隊と同じであると考えられる。

【兵器勤務隊】

【経理勤務隊】
軍需品特に糧秣の生産・集積補給、被服の修理、建築勤務、その他労役等の緒勤務に任ずる。 第二九師団の場合は兵補の配属は無い。

【野戦病院】

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Last Update 2014/09/05