第四三師団編制

昭和十八年軍令陸甲第四五号(昭和十八年五月十四日)により、本土防衛強化のため第四二師団・第四三師団・第四四師団・第四七師団の新設が発令された。 これらは復帰した留守師団(と独立歩兵団と)を基幹にして編成された。これらの師団は 昭和十九年陸軍動員計画令(昭和十八年軍令陸甲第八三号 昭和十八年八月三十日)では特設師団とするが、 第二師団・第三師団・第六師団・第五七師団が復員するまでは常設師団としての機能を果たさせるものされ、補充・留守業務を行った。

第四二師団(稚内)  留守第二師団(仙台)
  第六二独立歩兵団(高田)ヨリ
乙編制(野砲)昭和十八年軍令陸甲第四五号
(昭和十八年五月十四日)
第四三師団(名古屋)  留守第三師団(名古屋)
  第六三独立歩兵団(豊橋)ヨリ
乙編制(野砲)
第四六師団(熊本)  留守第六師団(熊本)
  第六六独立歩兵団(小倉)ヨリ
乙編制(野砲)
第四七師団(弘前)  留守第五七師団(弘前)
  第六七独立歩兵団(盛岡)ヨリ
乙編制(山砲)


第四三師団の場合の編合は以下のとおりであった。

第四三師団編合(1)
第四三師団司令部
第四三歩兵団司令部
  歩兵第一一八聯隊
       本部、大隊3、歩兵砲中1、通信中1
  歩兵第一三五聯隊
  歩兵第一三六聯隊
捜索第四三聯隊
       本部、乗馬中1、乗車中1、装甲車中1
野砲兵第四三聯隊
       本部、大隊2  (詳細不明)
工兵第四三聯隊
       本部、中隊(甲)3
輜重兵第四三聯隊
       本部、輓馬中2、自動車中1
第四三師団通信隊
工兵中隊(甲)ハ戦闘工兵


昭和十九年軍令陸甲第三九号(昭和十九年四月七日)により第四三師団は「海洋編制師団」に改変するために臨時動員された。 残念ながらこの軍令は現存していないので、「海洋編制師団」の編制が完全に分かっている訳ではない。 以降は軍令以外の史料による第四三師団の編制の概要であるが、これらは主として山下義之 「支那事変大東亜戦争における師団の編制」 に拠った。 「海洋編制師団」としての第四三師団の編合を以下に示す。 第三六師団の場合と異なり、歩兵聯隊は3個とも「要地確保反撃」に任ずるA聯隊である。 したがって第四三師団は海上機動用の海上輸送隊を有さない。 また本師団は戦車隊も有さない。

第四三師団編合(2)
第四三師団司令部
歩兵第一一八聯隊A聯隊
歩兵第一三五聯隊A聯隊
歩兵第一三六聯隊A聯隊
第四三師団通信隊
第四三師団輜重隊輜重兵第四三聯隊ヲ基幹トシテ臨時動員
第四三師団兵器勤務隊
第四三師団経理勤務隊
第四三師団野戦病院


以下の部隊は復帰した。
  第四三歩兵団司令部
  捜索第四三聯隊
  野砲兵第四三聯隊(歩兵聯隊の砲兵大隊編成の基幹に充用して復員)
  工兵第四三聯隊(歩兵聯隊の工兵中隊・作業中隊編成の基幹に充用して復員)
  輜重兵第四三聯隊(師団輜重隊・歩兵聯隊の補給中隊編成の基幹に充用して復員) 第四三師団の臨時動員とともに留守第三師団(名古屋)も臨時動員され、留守業務にあたることになった。


第四三師団は大陸命第九八四号(昭和十九年四月七日)により第三一軍戦闘序列に編入された。 昭和十九年軍令陸甲第三九号(昭和十九年四月七日)による臨時動員は四月二十五日に完結した。 本師団はサイパン島に派遣されたが、その輸送は以下のとおりであった。
◇ 第一梯団(師団司令部、歩兵第一三五聯隊・一三六聯隊、師団通信隊、兵器勤務隊、野戦病院
   五月十五日 横浜発 東松八号船団(東山丸、能登丸)
   五月十九日 サイパン上陸
◇ 第二梯団(歩兵第一一八聯隊、経理勤務隊主力)
   五月三十日 館山沖発 第三五三〇船団(勝川丸、高岡丸、はあぶる丸)
   六月四日 勝川丸沈没
   六月五日 高岡丸沈没
   六月六日 はあぶる丸沈没
   乗船の歩兵第一一八聯隊は主力・装備が海没して戦力は大幅に低下してサイパン島防衛計画に影響を与えた。
第四三師団はサイパン島防衛部隊主力として六月十五日の米軍上陸を迎えた。 サイパン島守備隊は水際での戦闘で大きな損害を受けつつ奮戦したが、戦況は不利のまま推移し七月五日の全員突撃により組織的抵抗を終えた。   

以下に第四三師団の各部隊の編制表要約を示す。


【司令部】
第四三師団司令部の編制は「昭和十六年度陸軍動員計画令」の附表第五に基づく。但し獣医部を欠いている。

【歩兵聯隊】
第四三師団の三つの聯隊はいずれもA聯隊(占領した島嶼の防衛にあたる)である。
A聯隊の主要装備は以下のとおりで、復帰した野砲兵第四三聯隊の装備である野砲を有していた。
    軽機関銃  108
    重擲弾筒  112
    重機関銃   18
    速射砲      6
    大隊砲      6
    野砲       8
    十榴       4    

A聯隊の編制表要約を以下に示す。



【通信隊】

【輜重隊】

【兵器勤務隊】

【経理勤務隊】
軍需品特に糧秣の生産・集積補給、被服の修理、建築勤務、その他労役等の緒勤務に任ずる。 本師団の場合、編制表上は兵補2、000名の代わりに軍属2、500名となる。

【野戦病院】

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Last Update 2014/09/05